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更新日:2020年3月4日公開 印刷ページ表示

令和2年度施政方針

施政方針とは

町長が、町政運営に対する基本的な考え方や新年度予算案及び主要な施策について述べるもので、毎年の3月議会において次年度におけるその方針を示すものとして提出します。

令和2年度の施政方針

令和2年3月4日に開会した定例議会において、町長が令和2年度の施政方針を表明しました。
※一番下のPDFファイルからもダウンロードして読むことができます。

前文

本日ここに、令和2年第1回蟹江町議会定例会の開会に当たり、提出いたします議案の説明に先立ちまして、令和2年度の町政運営に対する私の基本的な考え方と主要施策について申し述べます。
私が担当させていただく4期目の町政は、残すところあと1年となりました。御代替わりして令和の時代が幕を開け、早1年が経とうとしております。世の中の変化はますますその速度を増し、私たちが常識と考えてきた日常の価値観にも大きな変化が起きております。これまでの情報社会に続く新たな社会となる「Society 5.0」が標榜される中で、AI(人工知能)、RPA(ソフトウェア型ロボットによる業務の自動化)、IoT(モノのインターネット化)、ビッグデータなどの先端技術の活用がどんどん進んでおります。その目的は、避けられない少子・高齢化社会にあっても、人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができる社会を実現することです。
このような時代背景において、令和元年度は町制施行130周年を迎え、様々な取組を通じて、町民の皆様とその喜びを分かち合うとともに、この先の140年、150年とさらなる未来を目指して邁進していくためのエネルギーも得られた気がしております。そして、これからの地方自治体に求められる役割は、新しい時代にふさわしい行政サービスの実現を図ることと捉えております。そのためにも、まちの「歴史・文化・伝統」を大切にしながら、町民の皆様の営みを、しっかりと前へ進めて参ります。
議員の皆様には、ご理解とご協力をお願いいたしますとともに、令和2年度の予算案をはじめ、関係諸議案のご審議をお願い申し上げます。

当初予算の説明

まず始めに、令和2年度の当初予算の説明をさせていただきます。一般会計につきましては、前年度比11.2%増の119億2千227万7千円、特別会計につきましては、計5会計で前年度比4.2%減の73億3千363万4千円、企業会計につきましては、計2会計で前年度比15.6%増の26億6千608万4千円、総額219億2千199万5千円の予算を編成いたしました。

 主要施策の説明

それでは、令和2年度の主な施策について、第4次蟹江町総合計画の基本計画に掲げる五つの枠組みに沿って、ご説明申し上げます。

第1章 心身ともに健やかに支え合って暮らせるまちづくり

1 健康づくり事業

健康づくり事業につきましては、骨髄提供者助成事業を開始します。国内では、骨髄バンク事業が実施されていますが、一人でも多くの患者さんを救うためには、多くのドナー登録が必要とされています。しかし、骨髄等の提供には様々な負担もあり、実際に移植が行われるまでのコーディネートは、なかなか進まない状況にあります。そこで、骨髄等を提供するドナーとドナーを雇用する事業所に対し、ドナーの通院、入院等に要する日数に応じた助成金を交付することで、双方の経済的負担を軽減するとともに、ドナー登録と骨髄等の移植を推進して参ります。

2 疾病予防事業

疾病予防事業につきましては、ロタウイルスワクチンの定期接種化に向けて接種体制を構築します。国は、乳幼児が激しい嘔吐や下痢を引き起こすロタウイルス胃腸炎のワクチンを、令和2年10月から定期接種の対象とすることを決めました。そのため、接種対象となる令和2年8月以降に生まれる0歳児に係る保護者に対して適切な通知を行うとともに、医療機関との調整を図って参ります。

3 子育てを支える社会づくり事業

子育てを支える社会づくり事業につきましては、「子育て世代包括支援センター」を保健センター内に開設します。妊産婦、乳幼児等へは、母子保健分野と子育て支援分野の両面から支援を実施していますが、関係機関同士の十分な情報共有や連携が難しく、制度や機関により支援が分断されてしまうことが懸念されていました。そこで、関係情報を継続的かつ包括的に把握するとともに、保健師、助産師等の専門員が各種支援施策の円滑な利用を促進することで、妊娠、出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を提供し、妊産婦、乳幼児等に係る生活の質の改善と向上を図って参ります。
また、スマートフォン向けに「子育て応援アプリ」を新たに導入します。これにより、予防接種のスケジュール管理、乳幼児健診の案内、医療機関、保育所、児童館、子育て支援センター等の母子保健と子育て支援に係る情報を、一人ひとりの状況に応じて適時に分かりやすく提供して参ります。
さらに、「妊産婦のタクシー利用料金の助成」を行うことで、妊産婦の移動に係る様々な負担を軽減し、健やかな出産と子育てを応援して参ります。

4 保育サービスの充実事業

保育サービスの充実事業につきましては、蟹江西子育て支援センターの開館日を増やします。多世代交流施設泉人の中に開設したこの支援センターは、NPO団体と連携して運営することで充実したサービスを提供し、多くの方にご利用いただいております。そこで、現行の週3日の開館から、土曜日を含めて週5日の開館とし、さらなる利便性の向上を図って参ります。

5 高齢者福祉事業

高齢者福祉事業につきましては、令和3年度から令和5年度までを計画期間とする「第9次高齢者保健福祉計画及び第8期介護保険事業計画」を策定します。高齢者の保健、医療及び福祉に係る施策を全般的に定めるとともに、令和2年に予定されている介護保険法の改正に基づく制度改正を適正に実施しながら、当町の介護保険制度の維持と持続的運用に努めて参ります。
また、高齢者人口が増加し、要介護認定者や認知症高齢者も増加する中で、高齢者の方々に住み慣れた地域で在宅生活をしていただくために、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築に取り組んで参ります。

6 障がい者福祉事業

障がい者福祉事業につきましては、「障害者計画」を更新するとともに、「第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画」を策定します。障がいのある方が自立して社会生活を営むことができるよう、また、障がいのある児童が身近な地域で支援を受けることができるよう、障がい福祉サービス等に係る提供体制の強化を図って参ります。
また、障がいのある方が抱える課題の解決や適切なサービスの利用を促すため、各種相談支援事業所と連携してきめ細かな支援に取り組んで参ります。

7 地域福祉事業

地域福祉事業につきましては、「海部南部権利擁護センター」を弥富市及び飛島村と連携して開設します。認知症、知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分になり、ご自身では財産管理や日常生活における適切な判断が難しくなっている方が成年後見制度を有効活用できるようにするとともに、住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、分野を越えた専門職や機関との連携を図りながら、支援体制を構築して参ります。

第2章 次代につなぐ教育と生涯学習のまちづくり

1 学校教育事業

学校教育事業につきましては、国が表明した「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」の実現に向けて、町立小中学校における高速大容量の校内通信ネットワークと一人1台端末を一体的に整備していきます。校内のLAN環境、電源キャビネット等を整備するとともに、一人1台のタブレット端末を配備することで、新学習指導要領によるプログラミング教育や、全国学力・学習状況調査に係る新たな調査方法にも対応していきます。児童・生徒が自らの特性を生かして個別最適化された学習に取り組めるよう、国の補助制度を最大限に活用して、有意義な学校ICT利活用環境の整備を進めて参ります。

2 生涯学習の推進事業

生涯学習の推進事業につきましては、「文化財保存活用地域計画」の策定に取り組んでいきます。地域で育まれてきた文化遺産は、当町の歴史や文化を知る上で欠かせないものであり、ひとたび失われてしまうと再生することが難しい貴重な財産です。そこで、災害等による文化財の消失や散逸を防ぐとともに、文化財を受け継ぎ、教育、観光振興等に活用していくための計画づくりに着手します。また、地域に眠る様々な文化財の掘り起こしにも取り組んで参ります。
さらに、学芸員の専門的な知識を活かした特別展を行うなど、充実した歴史民俗資料館事業を展開していくとともに、観光交流センター等の関連機関と連携し、「歴史・文化のまち」としての情報を広く発信して参ります。

3 図書館事業

図書館事業につきましては、子ども読書活動推進計画に基づき、町立小中学校との連携を強化していきます。そのため、学校図書室のシステム化に向けて学校図書の整理に取り組んで参ります。
また、図書館の屋上外壁改修の設計を行うとともに、建物の外壁タイルを全面点検して経年劣化が見られる箇所を把握し、早期に対応していくことで、施設の長寿命化を図って参ります。

4 青少年健全育成推進事業

青少年健全育成推進事業につきましては、中学生沖縄県読谷村交流事業を実施します。読谷村の中学生との交流を通じてお互いの学校生活の違いを体感するとともに、民泊体験等を通じて歴史、文化、平和についての深い学びを促していきます。また、事後報告会の開催等により他の生徒や町民の方々との情報共有を図るとともに、一連のプログラムに取り組む中で、学年を越えた仲間づくりを図って参ります。

第3章 豊かな環境と安全がもたらす持続可能なまちづくり

1 ごみの適正な処理に係る事業

ごみの適正な処理に係る事業につきましては、スマートフォン向けに「ごみ分別アプリ」を新たに導入します。これにより、ごみの収集日をお知らせしたり、分別や出し方を手軽に検索できるなど、若年層やごみ出しに不慣れな外国人の方々にも、多言語で効果的に情報提供して参ります。

2 上水道事業

上水道事業につきましては、配水施設の老朽化対策として5号配水ポンプを更新して参ります。
また、配水池の防水塗装を計画的に行うとともに、基幹管路及び重要施設管路の耐震化を促進して参ります。

3 下水道事業

下水道事業につきましては、近鉄富吉駅北周辺を区域とする富吉北処理分区の整備に着手して参ります。
また、学戸新田処理分区において西尾張中央道を横断する管きょを整備するなど、管きょの延長工事を施工して参ります。

4 消防・救急事業

消防・救急事業につきましては、35mはしご付消防自動車のオーバーホールを実施します。消防車両の安全性と確実性を維持することで、町の安全と安心を確保して参ります。
また、常に救急救命士が出動できる体制を維持するとともに、高度な医療行為ができる救命士を養成し、年々増加する救急需要に対応して参ります。

5 防災・危機管理対策事業

防災・危機管理対策事業につきましては、役場における危機管理担当課の安心安全課と災害対策機器を庁舎の2階へ移転します。近年の大規模災害を教訓として、災害対応の拠点となる役場機能の維持・向上を図るとともに、災害に強い組織づくりに取り組んで参ります。
また、局地的な集中豪雨や冠水への対策として、各排水路の整備に取り組むとともに、今排水機場の機械設備を整備し、観音寺排水機場、大海用排水機場、大膳排水機場の更新を進めて参ります。
さらに、指定避難所に車椅子、簡易スロープ等の運営用資機材を整備し、小学校区単位での避難訓練及び避難所運営訓練を推進するとともに、改訂したハザードマップを活用して各地域で行われる防災学習会等への出前講座を実施します。これらの訓練、学習会等を通じて自主防災組織の運営や取組を支援し、地域防災力の強化を図って参ります。

6 交通安全対策事業

交通安全対策事業につきましては、住民の交通安全意識を高めるために、より一層の啓発に取り組みます。2019年の交通事故死者数は、県下では17年ぶりに全国ワーストを脱却し、町内においては0人でありました。引き続き、これを維持できるよう、子どもと高齢者の安全な通行の確保を重点項目として、関係機関との連携を図りながら、交通安全を推進して参ります。

第4章 誰もが元気に楽しく住みつづけたくなるまちづくり

1 駐輪場対策事業

駐輪場対策事業につきましては、JR蟹江駅の自転車駐車場を整備するため、需要予測調査を実施します。新しい駅等の供用開始を見据えて、整然とした利便性の高い駐輪環境の整備計画づくりに取り組んで参ります。

2 公共交通関連事業

公共交通関連事業につきましては、施工中のJR蟹江駅の自由通路新設及び橋上駅舎化事業が完了します。令和3年1月の供用開始に向けて残りの工事を安全に施工し、無事に竣工を迎えられるよう進めて参ります。
また、都市計画道路弥富名古屋線からJR蟹江駅へのアクセス道となる「都市計画道路南駅前線」を整備するための調査等に着手して参ります。

3 市街地整備事業

市街地整備事業につきましては、近鉄富吉駅南の市街化調整区域における基盤整備に取り組むため、市街化編入や土地区画整理組合設立の認可に向けて地権者等の合意形成を図りながら、関係機関との最終調整を進めて参ります。

4 住環境対策事業

住環境対策事業につきましては、協定を締結した公益財団法人愛知県宅地建物取引業協会と連携を図りながら、空家等の管理の適正化や活用等に向けて各種の対策を推進して参ります。

5 景観形成事業

景観形成事業につきましては、蟹江川の須成地区における親水護岸整備等に着手します。国土交通省に登録された蟹江川かわまちづくり計画に基づき、河川管理者である愛知県と連携を図りながら、5年計画で護岸と周辺の整備に取り組み、観光振興にもつなげて参ります。

6 農業の振興事業

農業の振興事業につきましては、県営特定農業用管水路特別対策事業光西地区に係る農業用管水路を更新します。各種の土地改良事業を推進するとともに、農業生産基盤の整備と優良農地の保全に努めて参ります。

7 観光振興事業

観光振興事業につきましては、新たな地方創生推進交付金を活用して「地域振興の発展に向けた観光・産業人材育成プロジェクト」に取り組みます。従来の「点で集客するイベント型の観光」から「面で誘客する周遊型の感幸」を推進することで、事業効果を町の産業全体に波及させていきます。その一つとして、町の周遊手段となるレンタサイクルやサイクルポートの効果的な設置に向けて導入調査を実施します。また、事業者との連携により体験型プログラムを考案して事業の担い手を育成するとともに、将来的には町の観光事業全般を担うことができる人材育成にも取り組んでいきます。これらを通じて来訪者の行き先と町内に滞在する時間を増やし、観光・産業の振興を図って参ります。
令和元年度に設立した「かにえフィルムコミッション」では、映像等の制作活動を誘致してロケーション撮影の支援を積極的に行うとともに、完成作品をPRすることでロケ地としての誘客を図り、観光振興や地域活性化につなげて参ります。
さらに、長年の課題となっていた観光協会の独立化については、事務局を役場から観光交流センターへ移し、町の観光振興拠点として活発な事業展開ができるよう連携して参ります。

第5章 町民・行政の協働と効率的な行政運営によるまちづくり

1 協働の推進事業

協働の推進事業につきましては、協働地域づくり支援事業を通じて各種団体の地域課題の解決に向けた取組を推進します。過去の事業実施団体についても異なる課題に取り組む場合には応募対象とし、採択に向けて実効性の高い事業の立案を促すとともに、事業が円滑に進むよう関係各課との連携を図って参ります。

2 地域組織・住民活動支援事業

地域組織・住民活動支援事業につきましては、小学校区や町内会におけるまちづくり推進事業交付金を活用した各種の取組をより一層推進します。各地域の事業が活発化していることから、全体予算を増額して郷土への愛着が深まる事業の継続・継承を応援して参ります。

3 多文化共生事業

多文化共生事業につきましては、国際交流事業を推進します。令和2年度は、アメリカ合衆国イリノイ州マリオン市と姉妹都市提携を締結して10周年に当たります。マリオン市からの派遣団受入事業と当町の中学生海外派遣交流事業を実施し、10年間の交流を続けてきた喜びを双方の住民が分かち合う機会を創出するとともに、両自治体の交流関係をより一層深めながら、未来の当町を担う国際性豊かな人材の育成に取り組んで参ります。

4 行政改革の推進

行政改革の推進につきましては、「公共施設個別施設計画」を策定します。公共施設等総合管理計画に基づき把握・整理した各施設の劣化状況等の課題を踏まえて、必要経費の縮減や施設環境の確保を図るとともに、長寿命化を推進して公共施設の効率的かつ効果的な更新、改修、維持管理に努めて参ります。
以上、令和2年度の主要施策について、ご説明申し上げました。

その他事業

その他の重要事業としましては、長期的なまちづくりの基本理念や方針を示す「第5次総合計画」を策定します。地域や住民生活に係る課題は多様化・複雑化しており、行政の果たすべき役割は従来にも増して大きくなることが予想されます。そこで、計画的かつ持続的にまちづくりを進めるために町民の皆様のご意見も取り入れながら、基本構想と基本計画を策定して参ります。
また、「都市計画マスタープラン」と「緑の基本計画」につきましても、現在取り組んでいる検討を進めるとともに、総合計画との整合性を図りながら、時代に合った新たな都市計画等の方針を示し改定して参ります。
最後に、歴史、文化、伝統が息づく「かにえの宝」を磨き続け、まちへの愛着と誇りをより一層向上させていきますとともに、町制施行130周年の節目を越えたさらなる未来を、町民の皆様とともに描きながら着実に歩んで参ります。
町民の皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、令和2年度の施政方針といたします。

令和2年3月4日 蟹江町長 横 江 淳 一 

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令和2年度施政方針 [PDFファイル/313KB]

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